どんなところ

クンユワムとはシャン語のクンヨム (กุ๋นยม) に由来する。クンヨムのヨムは植物名であり、クンとはここでは「水源となる山」を意味する。またヨムはタイ語に輸入されユワムと読まれ郡内を流れる川の名前となった。つまり、「ヨムの水源の山」と言う意味になる。

畠山哲司氏による旅の思い出

メーホーソンの双子寺（ワットチョンクランとワットチョンカム）は朝霧を背景にとても美しい。ビルマ様式のお寺はまたタイとは違っている。夜はライトアップされ池の周囲にはカレン族やモン族など山岳のお土産物屋が並ぶ。タイ語でお世話になった留学生（今は日本語の先生）と食事を共にした。朝の散歩で見たポストは赤かった。
メーホーソンからクンユアムまでは曲がりくねった７０ｋｍの山道だ。ボーコーソーで山の婦人と草を食む牛を撮る。タイ人らしい日本人が二人バスに乗る。車酔いで疲れるも何か見たことのあるような町クンユアムに着いた。早速だが旧日本兵の遺品を集めた博物館へ。そろばん先生、日本語の先生、宿泊や家にまでお邪魔したセンダオさんやカルーナといっしょに。

旧博物館（今はタイ日友好記念館としてリニューアルされている）の前には慰霊碑が立っている。７０数年前の兵隊さんを悼み合掌する。おびただしい数の遺品はクンユアムの家庭で大切に保管されていたもので、この地に就任したチュチャイ署長が自費で集めたものです。旧日本兵の魂が宿る遺品を展示し、後世の人たちが学ぶ場にしてほしいと願って建てられたものです。

飛行場跡の横道を入っていくと高床式の家が見えてきた。そこで私たちはとても貴重なインタービユーをすることができました。
一人はパケーオさん.
日本兵フクダと結婚、二人の子供を育てた。フクダとの出会い、礼儀正しく、物創りが得意だったと少し顔を赤らめながら応えてくれました。残念なことにタイ日友好記念館の完成を待たずに亡くなられたそうです。ご冥福を祈ります。
もうひとりはバーンターヌーさん。♫　お手々つないで野道をゆけば～靴が鳴る　♫と　最後まで歌ってくれました。家に寄宿した兵士たちの名前を今でも覚えている。薪割りをし、水汲みをし、家の仕事を一生懸命したそうだ。詳しいことはクンユアムで検索、ブアトーン愛の物語、バーンターヌーさんの話を見てください。

クンユアムから西へホイトンヌン村へ行く。国境が近いのでゲートでチェックを受ける。山の向こうはミャンマー（ビルマ）。敗走してきた日本軍に驚き、村人は山奥へ避難したという。何の危害を与える様子もないので、村のはずれにキャンプをはらせたそうだ。インパール作戦（北部）はチェンマイからパーイークンユアムそしてビルマのケマビューーコヒマーインパールを目指した。長年に渡って作った道路は白骨街道と呼ばれている。チェンマイにたどり着くには遥か遠かったであろう。

トーぺー寺は少し中心より離れたところにある。慰霊碑の後ろには病院跡と記されている。新しい碑が慧燈財団によって寄付されたそうだ。このお寺でも傷ついた日本兵のお世話をしたのはクンユアムの人々であった。寺の前を流れる小川は日本といっしょだ。うさぎ追いしと歌っただろうか。我が協会は２０１１年にワットトーぺーで慰霊を兼ねたトートカテンをおこない、村人総出の歓迎を受けた。その様子はオークパンサーに近づいたらしたい。今日は２枚だけアップします。

クンユアム中高等学校での歓迎は驚きだった。二人の日本人のためだけの横断幕、朝礼でのあいさつ、日本語クラスでの紹介や（１５の）手紙の歌。なにもかも感動的でした。センダオ副校長先生（当時）のおかげです。日本語での生徒の自己紹介はレベルも高く、日頃の授業の成果だと思いました。何よりも素直で懸命なのがすばらしい。京都の絵葉書も掲示していただきました。高校生招聘事業で京都に来たクッキーさんやウオラビーさんもいましたね。

クンユアムの朝。朝モヤの中を遠くから托鉢のお坊さんの姿が現れる。道端で飲むネスカフェ。市場で食べるカオトム（おかゆ）。どこか日本にもあるような田舎の光景が好きだ。はちみつで有名なメーホーソン。タナカー（田中）さんにも２年続きで出会うことができた。